こんばんは。
JR貨物は31日、2021年度の事業計画の詳細を発表しました。今年度は前年度の224億円を大きく上回る396億円(いずれもリースを除く)を投資するとしています。
事業計画の詳細の資料の中にEF510形について、『老朽車両の取替を計画的に進め、九州地区については取替後にEF510形式機関車を導入する』との記述がありました。
今回発表された詳細の資料によると、『故障による輸送障害を未然に防止するため老朽車両の取替を 計画的に進め、九州地区については取替後にEF510形式機関車を導入することから、九州用に仕様変更したEF510形式の走行試験を行う。』としています。
ここにある九州地区の老朽車両としては、門司機関区所属のED76形やEF81形が該当すると思われます。
いずれの形式も製造は国鉄時代に製造された車両が多く、車両の老朽化などが懸念されています。
ED76形(交流専用電気機関車)2021年度からの取り組みとして位置づけられている為、また情報が更新される可能性が高いです。
81,83号機、1000番台(1015, 1016, 1017, 1018, 1019, 1020, 1021, 1022)
EF81形(交直流電気機関車)
301~304・401~408号機
EF510形は交直流電気機関車として関西地区~日本海エリア・東北地区を中心に運用していて、ダイヤ改正からは名古屋地区の運用も拡大しています。
これから転用の動きとして考えられるのは、(現在の時点で)EF510形の保安装置の更新(九州地区:ATS-DF対応化)となりそうです。
車両の今後の詳しい仕様については、また後程、詳細に更新していきたいと考えております。
【EF510形導入まで大雑把な流れ(参考)】
(JR東日本所属時代のEF510形@寝台特急カシオペア号のけん引)
複数の電化方式(直流・交流)が採用されている日本海縦貫線・津軽海峡線を経由する貨物列車では、交直流電気機関車EF500形(1990年に落成、その後廃車)が開発される前までは、直流専用の電気機関車、交流専用の電気機関車にそれぞれの分岐駅で機関車交換が必要で、輸送時間やけん引貨物列車の輸送容量の増強が課題となっていました。
その後、試作車として前述の交直流電気機関車のEF500形が開発されましたが、技術上の課題や車両性能上などの課題により量産化には至らず、登場から僅か8年に廃車になってしまいました。
直流専用の電気機関車EF210形の開発・導入が進められてきたと同時に、EF210形をベースに交直流電気機関車として登場したのが、現在のEF510形です。
JR貨物のEF510形は現在、0番台・500番台が全機、富山機関区に所属しています。
【直流専用電気機関車EF210 300番台・新型ディーゼル機関車DD200追加投入も…】
まだJR貨物ではDE10形・DE11形の置き換え用としてDD200形の追加投入や、直流専用電気機関車EF210 300番台の追加投入も発表されました。今回春のダイヤ改正でEF64形の関東運用が消滅し、EF65形・EF66形についても依然として置き換え計画が不透明なままです。
車両部門の投資額は微増でしたので、2020年度と同程度の機関車が増備される見通しです。
その他にも、「東京レールゲートEAST」新設、「新仙台貨物ターミナル駅」の移転工事、新技術導入、トラックドライバー用アプリ導入(試運用開始)などの事業にも積極的に投資していくようですね。
【JR貨物発表の事業計画は下記から!】
JR貨物事業計画(概要版)
【関連記事】
↓JR東日本設備投資計画(一部)↓
↓JR東海設備投資計画(一部)↓
↓相鉄 設備投資計画(一部)↓