JR北海道は8/17の社長会見で、キハ143形気動車(キハ141系列)などの置き換え用として「737系」が導入されることが公式に発表されました。

【新形式「737系」】

今回導入される「737系」は、通勤形交流電車で、1M1T(室蘭側:クモハ737-0代、苫小牧側:クハ737-0代)の2両編成で構成されています。
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車体側面は、『優しさが感じられ、親しみやすく明るい若々しいイメージとして「さくらいろ」をイメージした淡いピンク色としました』としています。
前面部は、H100形を想起するような、黒色をベースに「ライトグリーン」のコーポレートカラーと警戒色の「黄色」が目立ちます。

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続いて737系の内装の全景です。
車体側面と同様に、ドア周りは淡いピンク色で塗られているのが確認できます。711系、733系、735系の黄色から変わったのも今回の新型車両の特徴な点でしょうか。

続いて、ロングシート座席周りのイメージ図です。
北海道内に咲く花をイメージしたドットが各所に散りばめられているようですね。

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2両の座席定員は合計で93人と、キハ143形などの96人と比べて3人程度減少でしたが、立席を含め2両全体では25人増の269人(キハ143形などは244人)と増加しています。

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最後に、ロングシートと優先席、中間部のフリースペース周辺のイメージ図です。
車椅子対応トイレの設置や、車椅子スペースや各車に1か所ずつフリースペースが設けられ、バリアフリーにも対応されているようですね。

JR北海道の電車では、僅か2編成の導入に留まった735系以来のアルミ合金製(先頭部:鋼鉄製)で製造される予定です。
アルミ合金製は、腐食に強く、ステンレス鋼製車体と比べても軽量化が期待されます。
一方で、鋼製やステンレス鋼製の車両に比べて、加工性が低く、車体形状を大きく変える改造が難しいのが特徴的です。
そのため、加工造形の自由度を高めることや、踏切事故対策として、735系と同様に737系も先頭部が鋼鉄製で製造されます。

・2022年度は計7編成が製造される予定
6月3日付のJR北海道グループ経営改善に関する取り組み【2021年度第4四半期報告・2022年度目標設定】及び8月5日付の【2022年度第1四半期 報告書】にて、2022年度中にワンマン電車(2両)を3Q(10月~12月の間)に4両推定:2編成)、4Q(翌年1月~3月の間)に10両推定:5編成)合計の(推定)7編成(14両)が製造される計画が明らかになっています。

2022年冬頃を目途に最初の車両が落成する予定で、2023年春頃の導入を目指し、最終的には13編成(26両)の導入が予定されています。


【電車→気動車→再び電車に置き換えへ】
737系導入が検討されている区間では、2012年10月26日までは、苫小牧駅発着の東室蘭・室蘭方面の普通列車は大半が電車(711系)での運行でした。しかし翌27日のダイヤ改正により、(一部特急形列車を除き)普通列車は、全て気動車列車によるワンマン列車に置き換えとなりました。

737系の導入により再び、同区間で「電車」の運行に置き換えられる見通しです。
711系運用時には「ワンマン運転」は実施されなかかった為、「電車の運行」且つ「ワンマン運転」は今回が初の事例となる見込みです。

JR東日本の観光列車「SL銀河」の客車の種車にもなったキハ141系気動車ですが、元々の車体が国鉄時代の50系客車(オハフ51形)を種車とし、最も遅く改造された車両についても28年程度経過(実質的には車齢35年以上に分類)していることが故に、車両の老朽化が進行しているのは事実でしょう。

737系通勤形交流電車が登場します(JR北海道)

【あとがき】
現在、既存のキハ40系がH100形へ置き換えが進められていますが、737系の導入はH100形よりも機関が短期間であっという間に置き換えが完了してしまいそうですね。
遂に明らかとなった、地方電化区間向け「2両編成のワンマン電車」の概要。
今後の動向に注目です。

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